八王子市教育委員会
教育長 石川和昭様
2006年10月26日
2007年度教育及び施策に関する要望書
学校教育での男女平等と人権教育の推進に向けて 国や都の言を待つまでもなくGEMの国際比較が80カ国中43位という事実が、男女共同参画社会の形成に向けての具体的な取り組みの必要性を示しています。しかも早急に強力な取り組みが必要です。「八王子プランの評価」を生かしていく上でもジェンダー平等政策を推進するような予算配分になっているのかの分析が重要だと考えます。私たちは、次のことを要望します。
1 男女平等を推進するための組織の整備について
八王子プラン評価報告書・学校等における男女平等に関する意識づくりと環境整備のbP〜bXの進捗は点検評価をするための組織ではなく、推進していくための組織の存在が必要。従って教育現場の運営機構に男女平等を推進する組織を置くこと。
2 教育の内容について
(1)
混合名簿の実施率が大きく上がったことは評価できる(小学校78%・中学校26が不必要な区別は依然多く見られる。一つひとつ払拭していく取り組みを進めたい。
@中学校の実施率がかなり低いが上げていくための手だてをしめすこと。
A校長会・副校長会を通じて、市民に対する「男女平等教育(人権教育一般ではなく)の必要性並びに具体的取り組みの情報提供」はどのようにされているか
(2)@中学校の、技術・家庭科は、男女共同参画社会にむけての性別役割分業意識からの解放と、個の自立のための大切な教科であることから、単なる共修より同じ場で共に学ぶ「共学」の方が有効。「全面共学」の学校数を示すこと。
A内容は技術的なことばかりでなく、ジェンダーバイアスを問い直す考え方を取り入れること。あわせて新学習指導要領の内容の該当する項目を示すこと。
(3) 中学校の進路指導においては、
ジェンダーフリーの視点にたって、従来男の仕事とされてきた分野にも女性の進出がある事実を積極的に知らせるなど、多様な選択ができるよう配慮し、男女共同参画に向けての意識の醸成を図ること。人権教育一般に拡散させないで答えること。
(4) 青少年の性行動の低年齢化や、生命の軽視が社会問題となっている。そのため学校においても、体系的な性教育の充実が求められている。学校では、計画的な性教育を行うこと。
(5) ティーンエイジャーのエイズ(薬害エイズは除く)等性感染症の広がりがあるといわれている。指導要領に基づき実施という回答だが、八王子市教委として把握している実態と対策を具体的に示すこと。また都教委の指導方針についての考えをお聞きしたい。
*「性交」も含んだ学習を抜きに「性感染症」の指導ができると考えるか
* コンドームは「避妊」より「感染症」対策と考えるか
* コンドームに関しては各家庭で教えるべきという市の考えは、実体のある物になっているのか(市職員の家庭教育の実態はどうか)
* 「ペニス・ワギナ」という言葉より「おちんちん・女のおちんちん・あそこ」等という言葉が適切だという考えについて市はどう考えているか。
(6) 中学校の標準服は廃止の方向で
検討すること。
@ 標準服は制服ではなく、強制されないことを説明すること。
A 当面、女子の標準服は、ズボンの着用も選択できる方向で取り組むこと。
2 教員研修について
学校内で行われていることは、市民に明らかになっていない。以下の項目に対して、私たちに向けての回答を要求する。
(1)初任者研修等義務づけられている研修の中での、男女平等に関わる研修項目を示すこと。
(2) 男女平等教育推進のための学校訪問(2003年度回答で、訪問による指導があるとのことなので)で、どのような話題が出され、どのような指導助言があったのか、男女平等教育に絞って明らかにすること。
@男女平等教育推進に関して学校現場の現状を把握し、今後の課題としてどう提示したか。
A解決の方法をどのように提示したか。
Bそれを教育行政の向上にどのように反映させたのか。
(3) 八王子市教育委員会研究推進委員会男女平等教育班人権教育班に統合されたことについて明らかにすること。
@人権教育一般では抜け落ちてしまった事実から男女平等教育班が別立てで創設された歴史があったのだが、「意識や実態改善の遅れ」が指摘されているにもかかわらず元に戻す根拠は何か、統合の経過を明らかにすること。
A人権教育班の年間計画を明らかにすること
(4) 中学校の進路指導においては、男女の固定的な性別役割に基づく進路選択を排するための教材教具の開発・推進の予算化を図り、生徒に積極的に働きかけること。
性差別が現存し、国際比較でも日本人の意識面の遅れも指摘されて久しいが、回答に見られるような「人間としての生き方」論に拡散させることなく具体的な対策を明らかにすること。
3 市民の声を反映させるために
東京都男女平等参画基本条例の意見集約の場でも、教育現場でのジェンダーフリー教育の推進に対する関心・要求は高いものでした。男女の平等は基本的人権の尊重として重要な課題としてあり、その推進のための参画・参加は当然市民の権利であることを心に留め、次のことがらを要望します。
(1)男女平等教育に関する各学校での取り組みや、男女平等教育班でのアンケートの結果、研究冊子等は、市民に具体的に知らせる意味からも、男女共同参画センターにおくこと。
(2)各学校へ配布する男女平等教育に関する配布物は、男女共同参画センターで閲覧で
きるようにすること。
(3)上記のことを、八王子の教育・広報などで市民に知らせること。
4 子どもの権利条約の正しい理解と定着化について
「子どものすこやか宣言」は、子どもの権利条約を正しく反映していません。むしろ子どもの権利を制限する危険を伴っています。よって下記のことを求めます。
(1) 子どもの権利条約を、各学校で教師が十分に学習するための条件整備をすること。(時間・予算について)
(2)子どもは大人と同等の権利を有することを前提とした教育方針を打ち出し、子どもの権利を直接子ども自身に知らせることが大事だとされている。子どもへの定着度の推移を明らかにすること。
(3)チャイルドライン・子どもの虐待防止センター等との連携を図り、子どもの権利擁護に反映させること。
(4)上からの指示に無批判に従っていく人間を二度と育ててはならないという憲法や教育基本法の精神に基づき、市内の多くの公立学校には、“考える子”という教育目標がかかげられている。それは、算数や数学・国語などの学力にとどまらず、生活につなげて考える生きた学力でなければならない。そうした考える力は、子ども達がおかれている社会に目を向け、自分の考えを持つことから育っていくと考える。そして、そのような子どもの育成のために、教師自身に自分で考え、自分で創り出す、自主自立の精神の保障をすることが大事だと考える。
(5)セクシャルハラスメントに対する認識が深まる中で、表面化する件数は全国的に増えてきている。これを未然に防止することは教育においても緊急な課題である。
次の点を明らかにすること
@子ども・保護者からの訴えの件数
A教師からの訴えの件数
B処分の件数
(6) 公立学校は、本来希望する子すべてに入学する権利がある。
・就学時健診でのふりわけをせず、希望した学校への通学を認めること。
・受診の有無にかかわらず、入学できることを広報で知らせること。
(7) 特別支援教育が、八王子市ではどのように進められているのか人的配置も含めて明らかにすること。
(8) 学力テストは、何回もの実施や公表形式に伴い、子ども自身や、学校運営に、様々な影響が出ていることも事実としてある。学力テスト実施のリスクとその対策を明らかにすること。
社会教育での男女平等の推進に向けて
男女平等の社会を実現するために社会教育が果たす役割は大きい。ジェンダーによる縛りが支配的な市民生活の場では、男女共同参画の理解を進める学習・教育を意図的に推進することが求められる。
1 社会教育は、市民の生涯にわたる、市民としての学びを保証する施設である。社会教育施設の充実及びその事業内容の基本には、男女共同参画社会形成の理念をおくことが求められる。
公民館
公民館のあり方について公運審では、「公民館は社会教育のリーダーとしての役割がある」したが、社会教育施設である公民館を今後とも充実させること。
(1)公民館及びその他の社会教育施設は、主催事業を男女共同参画の視点を持って充実させること。
(2)主催事業への参加者の継続的学習を保障し、主催事業受講による派生団体の一覧表を公開すること。
(3)公民館は公民館法に示されているように、学習団体活動を把握し援助をすること。
(4)公民館の主催事業への参加者の年齢構成、性別を調査分析し、子育て期間中の女性
の参加が高まる講座を開くこと。
(5)公民館法によれば、公民館は主催事業から生まれた団体を育成する責務がある。そのためには、施設使用料免除期間の三年間延長や、活動記録作成に職員が協力し保管することが大切だと考える。
(6)公民館の運営や講座に広く市民の意見を反映させるためにも、利用する市民や団体 と公運審委員との意見交換の場を設けること。
(7)中央公民館においては印刷室利用者の作業スペースを広げること。
(8) 地域で次世代青少年の育成に関与することは大切である。そのためにも、青少年グループに関しては使用料を無料にすること。当面は、社会教育の目的に合致
した活動への援助として、使用料の減免措置をすること。
(9) 休暇中以外にも、公民館学習室の青少年への提供を拡大していくこと。
(10)公民館利用団体への鍵渡し時間は利用開始10分前を厳守するあまり、市民にとって血の通わない管理主議に偏している。市民の共有財産である公共施設は市民にとって使い勝手のよいものとなるよう検討が必要である。近隣自治体の公共施設管理手法などを参考に再検討すること。
図書館
(1)蔵書数が一定規模地区図書室は中央図書館の分室にし、司書を配置すること。
(2)地区図書室を含む市内すべての図書館で、女性問題関係の蔵書と資料の収集を充実し、男女共同参画センターと連携して、特設コーナーを常設すること。
郷土史料館八王子の百年史編纂にあたっては女性史の項目を起こすこと。
2
教育に女性の意見を反映させること
(1) 審議会委員等の選出は、民主的に行い、ポジティブ・アクションとして女性比率0%をなくし、50%とすること。教育委員会関係の審議会について、目標を明示し、早急に達成すること。
(2) 審議会等の市民公募の枠を広げるための具体的取り組みを明らかにすること。
(3) 教育委員の女性比率を50%とすること。男女共同参画社会を推進していくためには「性別にこだわることはありません。」と言う回答はいかがなものか。
3
市主催の事業では不必要な性別をやめジェンダーフリーで行われるようにすること
八王子ロードレース
毎年秋に行なわれている八王子ロードレースは、男子10キロ・女子5キロというコース設定になっている。フルマラソンにも多くの女性が参加している現在、八王子ロードレースの距離に男女差を設けている根拠は何か。女性でも「10キロ走りたい」という人がいるし、男性でも「10キロは無理」という人もいる。距離の男女差をなくし、だれでもがどちらのコースにも参加できるようにして欲しい。
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